インターネット版●

富田和明的個人通信

月刊・打組

2008年 12月号 No.122(12月28日 発行)


2008年の冬

寒中お見舞い、申し上げます

冬打!2008写真館 Winter photo gallery

第一部

撮影/青柳 健二

舞台照明/村上 智子 門仲天井ホール

12月13日

銀河映吾心打!

宇宙晴生命源打!

太鼓舞夢越年打!

 

土曜、日曜と寒い気候でしたが、門仲天井ホールでは熱い二日間を過ごしました。

公演の内容として自分の評価は、うまくいったところもあるし、うまくいかなかったところもあるし、でも今の実力はこんなところだろう。というところです。

叩き続けること、公演を続けていくことが、まさに私にとってライブ。生きることだと思っています。

これが、一番のリハビリにもなりますからね。 まだまだやりますよ〜。

 

脳出血の後遺症をずい分心配して来てくださった方が多いと思います。

パッと見、「どこが?全然前と同じじゃないの?」 でもじっくり見ていると「やっぱり少し、そうかのかしら」

と、お判り頂けたかと思います。 発症の日から数えて早三ヶ月が経ちました。

この間にそうとう回復していると思いますし、アメリカでの公演の一夜と比べると、もう全く違うくらい回復しています。

ただ三味線は、まだ人前で弾くにはきついと思います。

いつ、皆さんの前に棹を抱えて現れるのか、楽しみに待っていただきたいと思います。

 

冬打に出演していただいた、井上智彦さん、高田淳さんは、ともに34歳、最初出会った頃は新人でしたが、いまや太鼓界の中核を担う二人に育っていました。

この二人の一番凄いところは、まず性格がいいところ。そして優しい。

これは簡単そうで簡単でない。

例えば、 「こんなことをやろう」と言って、「それは出来ません」とはまず言わない。 とにかく最初に受け入れてやってみる。

ただ人がいいということではありませんよ。 太鼓だけがうまい人なら他にもいるかもしれませんが、二人のこの他者や異物を受け入れられる柔軟性を頭にも体にも持っているところが、素晴らしいです(これだけはないですが‥‥)。

太鼓界のトッププロから引く手あまたなのがよく解ります。

 

僕は今回の演目の中でも、アンコールはみんなで歌をうたいたかったので、

「歌は、どう?」と高田さんに聞くと「歌は、音痴です」と答えました。でも

「少し何か歌ってもらっていいですか?」と訊いてうたってもらうと、僕の心には充分届く気持ちが感じられました。

声は、その人の命とも言えます。

歌う行為は、その人自身の気持ちが一番でると思っています。うまい下手ではありません。 あれだけ太鼓は意のままに何でも打ちこなす高田さんが、歌うことになると本当に一生懸命、一息一息を振り出してやっと声にしているのです。

僕には感動の歌声に聞こえました。

井上さんも、本人は歌うことは好きなんだけれど、普段周りからは迷惑がられるというような事を言っていましたが、やっぱりお願いして歌ってもらい、良かったと思っています。

「あれがなければもっと良かった」と思われたお客様、すみません。それはすべて私が悪いのです。でも、一曲目から素晴らしい太鼓を打ち続けた二人が、最後のアンコールでうたう短い歌。

ここに二人の個性がよく現れていたと、私は思います。

なんてったってこの歌は、この二人がうたう為に二人をイメージして作った歌なんですからね。

 

『星に願いを』                  作詞・作曲/富田和明

 

この空に ひとつ みつけた 星あかり

あなたと見た あの空 数えた 星たちよ

 

もう一度 届けたい この声 この想い

もう一度 贈りたい あなたに この時に

 

きっと いつか あなたの 輝く 星になれると

きっと いつか あなたの 輝く 星になれると

 

流れ星 みつけた 願いをかけて

流れ星 みつけた 想いを届けて 想いを届けて

 

この空に ひとつ みつけた 星あかり

あなたと見た あの空 数えた 星たちよ 数えた 星たちよ

 

(ピアノアレンジ=窪田美香 太鼓アレンジ=高田淳)

 

いろいろ失敗はありましたが、この歌は良かったと思っています。

 

それから、夏打に引き続き出演してくれた窪田美香さんは、今が成長著しい時を向かえていると思います。

これまで寄り道しながら経験してきたことが寄木細工のようにうまく噛み合い出せば、きっと面白い太鼓打ちになると思います。

いろいろな先輩表現者の中でもがきながら苦しみ、楽しんで伸びて行って欲しいと思います。

 

さて、このようなすてきなライブが出来るのは、いつもながらの、たくさんのお手伝いスタッフの皆さんがいらっしゃるからなんです。

照明の村上智子さんは、横浜放送映画専門学院時代の同級生で、このホールで一番数多くお付き合い頂き、私の無理なお願いを聞いて下さっています。

それから今回舞台監督をお願いした柿崎勝行さんは、実は役者さんでありもちろん歌って太鼓も叩けるんですが、今回は裏方をお願いしまして、本当に助かりました。

それから 太鼓アイランドのメンバーでもありますボランティアスタッフの皆さん。皆さんのお力を貸して頂いて、幕が上がり、また無事に閉じております。

今回の公演から、名前を付けております。打組公演サポート隊(略してUPS)です。UPS新メンバーも受付しております。

お手伝いして頂ける方、打組までご連絡下さい。

 

UPS2008

中村 光子 矢崎 一美 小田嶋 直子 岩附 裕子 宇田川 泰子 佐藤 きや子 伊村 葉子 小野 和子 関田 茂 関田 修 / 関田 道昭

 

皆様、ほんとうにありがとうございました。 こうして舞台が出来るのですが、お客様に来ていただかなくては、何も進みません。

皆様の応援があればこそ、ご支援があればこそ、こんな小さな公演ですが、続けていくことができます。

私が初めてこのホールで太鼓を叩いたのが、1997年12月19日『和太鼓体感音頭』 でした。

あれから11年ですが、このホールは来年が20周年を迎えるのです。

このホールにも感謝を込めて、ここでしか見られない、体感できない、楽しいコンサートを来年も企画したいと思っております。

実は日程だけはすでに決まっています。詳細は未定。

 

次回、門仲太鼓ライブ『夏打!海打!太鼓打!2009』は、 7月19-20日を予定しています。

どうぞ、皆様次回もお越しいただけるよう、祈っております。

 

そういうわけで、 『冬打!宇宙(そら)打!太鼓打!2008』は、無事終了いたしました。

 

お越し頂きました皆様、本当にありがとうございました。

お手伝い頂きました皆様、本当にお疲れ様でした。

お元気で、またお会いいたしましょう。

 

今回の舞台記録写真の撮影は、写真家・青柳健二さんでした。

どうぞ、ごゆっくりとご覧下さい。

 

 

また最後になりましたが、永きに渡り心よりご支援、応援して下さっていた関田道昭さんが、12月1日に急逝されました。

葬儀の一週間後にかかわらず、ご子息のお二人も舞台スタッフとして今回のライブでもお手伝いを頂いておりました。

ここに改めて感謝致しますと共に、道昭さまの御冥福を心よりお祈りいたします。

合掌。

 

富田和明

 

Monnaka Tenzyo Hall Art Kitchen TOKYO

TOMIDA KAZUAKI TAIKO LIVE 2008 WINTER

富田和明 冬の詩2008 門天和太鼓ライブ 二千八年 打ち納め

見上げればそこにある鼓空、太鼓打ちが打ち込む本年の締めくくり  

冬打、宇宙打、太鼓打!

FUYUDA SORADA TAIKODA!

12月13日(土)暮夜 7時開演/14日(日)午後 3時開演

 

Program

1、海風(うみかぜ)

作曲/窪田美香

チャッパ/井上 智彦 窪田 美香 太鼓/高田 淳

1、TOKIMEKI

作曲/富田 和明

太鼓/窪田 美香 富田 和明 井上 智彦

2、Merry Taikomas.

作曲/高田 淳

太鼓/井上 智彦 高田 淳

3、クロス

作曲/高田 淳

太鼓/高田 淳 窪田 美香 井上 智彦

4、桜吹雪 下駄ップ版

作曲/富田 和明

一歯下駄/富田 和明 タップ/高田 淳

5、石敢當(さしび)

作曲/富田 和明

太鼓/高田 淳 富田 和明 窪田 美香 井上 智彦

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インターネット版 『月刊・打組』 2008年12月号 No.122

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