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富田和明的個人通信

月刊・打組

1999年 新年号 No.42

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次回ジァンジァン太鼓物語は

『アフリカ打撃談』?!

12月27日

 

 男女の力強い叫声で眼を覚ました。

 クリスマス休暇のせいか夜中三時を過ぎても人々の騒ぐ声がホテルの部屋まで響いてくる。しかし年に一度のお祭りにしては騒ぎも控えめだと思う。

 今、ザンビア共和国の首都・ルサカの静かな夜が明けようとしている。とうとう東京打撃団アフリカツアーも最終日となった。

 一ヶ月間のツアーは、まるで一年のように長く感じられ、ハードスケジュールの続く毎日では、目前の日程をこなすだけで精一杯だったが、今は日本のことを考える余裕が少し出てきた。  ケニア・タンザニア・ザンビア、この東アフリカ三国から見れば、日本は夢の国と言わざるをえない(また逆の見方もあるだろうが‥‥)。ここでは本当に物がなく、貧しく、人々の生活が苦しく見えた。唯一の楽しみが歌って踊ることだろうが、その光景もそれほど多く眼にできたわけではない。日本の京都の祇園祭の光景をここで思い浮かべてみると、豪華絢爛の山車が街を練り歩く姿は、蜃気楼としか思えない。

 祇園祭も元々は、飢えと病から抜け出すための念仏から始まったと言われるが、この地でも祭が誕生し得るのか、僕の拙い想像力では思い描くことはできない。  民衆パワーを集結するにも、最低限の社会の安定と経済基盤が必要ではないか。ただ貧しく病に倒れているだけでは祭(祈願)は生まれないと思う。では何が必要で、何が足らないのか?

 いや、ちょと待てよ。ここでは祇園祭のような儀式や作法に則った祭など必要ないぞ。整理整頓された大祭よりも、今を生きる老若男女全員が即天国に行けるような祭(どんな祭だ?)が必要なのではないか。

 今回のジァンジァン太鼓物語は『祇園ばなし』と題目を付けましたが、この12月一ヶ月間のフランス・アフリカツアーに私自身がかなり影響され、『アフリカ打撃談』となる可能性が非常に高いように思われます。皆様方におかれましては、あらかじめご了承の上、多数おいで頂けますようお願い申し上げます。私はルサカから36時間、三日をかけて無事帰国致しましたが、久々に長い空の旅路を満喫させて頂きました。

 

※ ツアーの詳細については、

『アフリカ打撃談・回想』(99.2.26 アフリカ1ヶ月公演を振り返って)

をご覧下さい

 

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インターネット版 『月刊・打組』1999年 新年号 No.42

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