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富田和明的個人通信

月刊・打組

2001年 7月号 No.67(7月13日 発行)

このページはほぼ毎月更新されます。年10回の発行

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ドカドカ夏がやってきた

6月〜7月

※今月の「月刊・打組」はHPおまけコーナー『その日の気分打』からの抜粋です。

6月5日(火)
 山口県光市での「ひかり太鼓25周年記念東京打撃団コンサート」は、市民ホール満員立ち見の大盛況のうちに幕を閉じましたが、この大ホールに足を踏み入れたところで、思い出した。
 ここで昔(確か鬼太鼓座時代)、公演をやったことがありました。もう20年ほども前のことでしょうか。
 聞けば、周東町や、周防大島、祝島もそんなに遠くないのです。周東町は猿舞座があり(今はどうなのか知りませんが)、周防大島は宮本常一先生の故郷だし、祝島は原発問題で有名になる前に祭りの取材で訪れました(ここに原発を作るなんてとんでもない)。この辺りは本当に海が美しいのです。
 打撃団コンサートの前に地元太鼓グループの演奏やセレモニーがありましたが、光市に生まれれば自然と太鼓と触れられる環境があるようで、市がまるごと太鼓の地域活動に取り組んでいるようでありました。
 ひかり太鼓の25周年というのは、そのまま日本の創作太鼓の歴史とも重なります。ちなみに僕も鬼太鼓座に入座してこの太鼓の道に入り、今年の10月で25年目を迎えます。

6月12日(火)
 長野県松本での東京打撃団学校公演が始まった。昨日から金曜日までで七回公演。久しぶりのデカイ劇場です。おまけに前方の客席をつぶして張り出し舞台にしているので、よけいに舞台が広く、奥行きが普段の二倍以上ある(この劇場の収容人数は約2000、その内の200席を取り外しているので今は、1800人のキャパ)。
 舞台から客席を見るとずいぶん遠くにお客さん(生徒さん)が見える。ちょっとやりにくく思っていたが、二回も本番をやると慣れてしまった。人間とは慣れる動物だ。梅雨の中休みなのか、空は晴れ、心地よい風が吹いている。

6月13日(水)   
 きのうは劇場が休館日で公演はお休み。長野市在住の太鼓打ち・近藤克次さん宅に遊びに行ってきた。
 自宅以外にも廃校となった小学校を借りての自らの稽古場があり、もう一つ、町が管理する太鼓稽古場もあった。
 アルプスの山並みが迎えてくれる静かな自然の中にある。都会の太鼓打ちの目から見れば信じられない太鼓環境だが、これも1993年に鼓童を離れてから日々精進し、8年にして成し得た結果だという。克次さんも奥さんのYUKI-KOさんもとても元気そうでした。
 克次さんとは、「兎小舎なにみてたたく第八夜」公演で会って以来、3年ぶりか?また、一度いっしょに太鼓を叩いてみたいです。今回はいっしょに美味い蕎麦屋めぐりをいたしました。

※中条町の音楽堂前で、近藤克次さん

6月18日(月)
 梅雨の中休み、昨日の父の日、東京渋谷・NHKのテント2001「みんなの広場」で『フルーツサンデー』の公開録画。
 テントとは言え、それは外観がそれ風ということだけで、立派なスタジオ劇場になっています。東京打撃団の出演時間は約6分、あっという間に終わりました。
 ※放送日は、NHK BS2 7月6日(金)18:00〜18:30 でした。

6月22日(金)   
 昨日、長野県塩尻市での公演を終えて横浜に戻りましたが、今日は東京ディズニーランドのすぐ脇にある東京ベイN.K.ホールでのイベント出演。
 朝も早よから劇場入り、都合により待ち時間がたっぷりあるので、楽屋では、打撃団メンバーのほとんどがコンピューターに向かっております。メンバー全員がマック(事務所も、舞台監督のFさんも)ですから、何か問題が起こるといろいろと知っている人に聞けるので実に助かる。 
 長野での13回公演が終わって、そして今日のイベントと、僕の場合、体はかなり疲れが来ております。長野の千秋楽一日前に「後一回で終わりだ」と、フッと気がゆるんだのか、きのうの朝からまた鼻の奥がおかしい。長野の学校公演は毎回面白かったのだけれど、つい頑張りすぎてしまうので、翌日に疲れがどんどん溜まってくる。とにかく今日は仕事を終わらせて、明日はゆっくりと休みたいものだ。 

 

6月25日(月)   
 もう足かけ八年も日本放浪の旅を続けている江尻浩二郎さんの「ひとり語りの会」を企画した
 この人を初めて見たのは、知り合いの芝居を見に行った時に役者の一人で出演していた時だ。その後、太鼓アイランド青葉に参加しに来たのがきっかけで、『てんドンカツドンたいこドン』にも現れバラシの後のお茶で話らしい話をした。というか、話を聞いた。
 その後、我が家にも一度泊まってもらって、ゆっくりと話を聞いた。
 この人はとんでもない人である。良い意味で。こういう旅を続けられることは凄いことだし、それをまた記録している(日記の量も凄い)し、話をすることができる。彼は30歳を少し過ぎたところ、話芸というものではまだないが、その予感があるのは確かだ。これまで役者として舞台の経験は多々あるが、一人語りはまだないと聞き、それなら僕が企画したいと思い、この会を主催することにした。
 ※『江尻浩二郎ひとり語りの会』は、築地・兎小舎 8月23日(木)夜7時開演 打組でチケット受付中!詳細はこちら

6月26日(火)   
 サンリオピューロランド(東京都多摩市)に久しぶりに行ってきた。
 3年ほど前に一度行ったきりでしたが、変わってませんね。今やっているショーでは、中国の雑伎団メンバーがキティーちゃんたちに交じって華麗な演技を見せておりました。雑伎団の出演者はみんな若いんだけど(小中学生くらい?)、中国は学校に行かなくてもいいんだろうか、それとも仕事のためなら特別の処置があるのだろうか‥‥。技を見ていると、芸を磨くには学校行ってられないと思わせる説得力があります。
 僕はこの夏のショー(7/19〜9/2 毎日午後5:10〜)、「ピューロランド みこし祭り」で太鼓指導をすることになって打ち合わせに行きましたが、太鼓を叩くのはショーのダンサーたち。短い稽古時間で(それもこれまで太鼓は叩いたことがない人たちが)本番に向かうのです。そして、ダブルキャストならぬ、トリプルキャストで、一組6人のチームが、三組18人。どうなるでしょう。

※ここからの写真は、Oh!太鼓4太鼓合宿の練習風景

7月2日(月)   
 合宿の二日間、楽しく過ぎましたが、この体の痛みは何? 気が付けば私、御陣乗の地打ちのリズムをかなりの長時間叩き続けていたようで、また、参加の皆さまのパワーをいただき、私も張り切ってやりすぎたのか?ワークショップ終了後、最後の積み込みが終わると、へなへなと座り込んでしまいました。
 そして翌日の今日、まだドッと疲れております。動けません。それでも夜には太鼓アイランド青葉のいつものワークショップがあり、合宿参加者も三人来ておりました。元気ですね。
 今回の太鼓合宿『Oh!太鼓4』の楽しみ、或いは太鼓のツボと言えるかもしれませんが、それは、チームでの曲作りにあったと思います。
 太鼓の腕を上げることは個人の技ですが、今回の鳥獣戯打の場合、4人一グループでやりましたので、チームワークが大事であり、これがうまくいってもいかなくても、面白く盛り上がりました。また、ソロ部分もありますから、個人の表現に関わる点も多く、自己解放もポイントでした。
 それにしても夏ですね。夏本番のような暑い熱い太鼓合宿となりました。次回Oh!太鼓は晩秋に予定しております。今度は何をしましょうかね。

7月4日(水)   
 昨日いつものように、私の自宅まで皆が集合して、トラックへの荷物積み込み。それから京都まで高速を突っ走って移動。今夜は京都の園部町で、東京打撃団公演がありました。
 体の疲れも今朝、やっととれたようで一安心、元気で太鼓を叩けました。打撃団の関西公演はこれまでも淡路島でしか行われていないので、今日もずいぶんと遠方から足を運んでくださった方も多かったようです。ありがたいことです。
 さすが京都は東京よりも暑いですね。ムッとしながらも、この暑さは好きです。このまま梅雨は終わるのでしょうか?

7月6日(金)   
 中学校での体育館、かなり本格的な舞台仕込みだったもので、照明機材も多く、また照明効果の為に全面暗幕が張り巡らされ、そこに若き血たぎる中学生約550名プラス先生方プラスお母さん方など600名を越す人々が集い、僕たちは特設舞台で照明を浴びて、人々の熱気を浴び、そして今年一番の暑さという気候が公演に荷担しまして、予想を遙かに超える暑さの中でありました。
 午後一時半、公演開始。そこで太鼓を叩いているんです。聞く方も聞く方です。互いが大変です。僕らは衣裳を絞れば汗が滴ります。ズボンも倍の重さに膨らんでおります。汗が風呂場で湯船に浸かっているような量です。学校の先生が舞台袖に用意してくれた扇風機とお水がなければ、最後まで立っておれなかったことでしょう。
 公演が終わり、控え室に戻り(ここは冷房が効いていました)、皆しばらく動けませんでした。そして、片づけの後、高速を走り一路東へ。夜中の12時、横浜着。
 トラックから個人の太鼓道具などを各自の車に移し替えて、またここで汗だくの一時解散。僕はそのまま家に戻ってお終いでしたが、林田、佐藤、熊谷はまだ後の続きがある。夏が始まった。

※6月号が発行できませんでしたので、次号は合併夏号ではなく、7月、と8月号に分けて発行いたします。今年の夏も引き続きドカドカ走り回っています。

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インターネット版 『月刊・打組』2001年 7月号 No.67

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