佐渡國鬼太鼓座・鼓童時代的富田和明

山野 實 写真館・2 灰谷健次郎さん来座の日

 

灰谷健次郎さんの訃報を聞き、佐渡でお会いした日々を思い出した

山野さんにその話をすると、その写真も撮ってあるというので、すぐに送って頂いた

恐るべし山野實。いったいどれくらいの写真が保管されているのか‥‥

 

灰谷さんと過ごしたのは、1986年4月12〜13日 春を迎えた佐渡

 

その日のスケジュールは毎日日直が黒板に書いた

当時は鼓童になってから5年近くが過ぎ、メンバーも多少増えてきていた

それでもこの程度の人数だったけど

 

 

 

13日の朝、灰谷さん、山野さん、青山くん、吉利さんと10キロ走った

その後、灰谷さんと一緒に風呂に入った

 

「さすがにみなさん、いい体をしていますね」とか

「どうやって鍛えてるんですか?」とか

そう、いつも言われることが多かったのに

灰谷さんは違った

 

「これから僕は 肉体で勝負しようと思ってるんですよ」

狭い脱衣場で服を脱いだ灰谷さんが僕に語った

 

当時、僕らにそんなことを話しかけた人はそういない

その頃、灰谷さんは淡路島に住んでいて、山中を毎日走っていると言っていた52歳

 

灰谷さんが講演をした中央会館前で太鼓を叩く当時の鼓童メンバー

劇男一世風靡 (げきだんいっせいふうび)とお付き合いがあった頃で靴下も赤

この服装で外を歩いていたかと思うと恥ずかしいです

20年前なのでお許しを‥‥

寿司の長三郎・長三郎鮨

ここで食べた寿司以上に旨い寿司を食べたことがないと、今でも思っている‥‥旨かった

 

当時の鼓童本拠地(旧・真野町大小)玄関前で記念撮影

 

 

 

灰谷さんの服装は本当に質素だった

腰も低い、が芯は強い

 

灰谷さんは、その人の本質を見抜いてしまう人だと思った

と言うよりも

灰谷さんの目の前に出てしまうと

 

「この人に嘘はつけない」

「今の自分は本当の自分なのか、ニセの自分なのか」と自問してしまう

虚像をまとっている自分が裸にされてしてしまう

灰谷さんは何も語らなくとも

 

 

両の眼が優しく強く輝いていた

 

 

 

御冥福をお祈りいたします。合掌


左・山野實さん、右・灰谷健次郎さん

2006.12.8 発行 写真撮影提供/山野 實 文/富田

山野實 写真館・1(1977〜 鬼太鼓座・鼓童時代)

鼓童時代のある一日 写真館(1986 冬)

 

 


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