月刊・打組 2008年 5月号 No.118(5月27日 発行)


 

太鼓打ち富田和明が歩く

四国八十八ヶ寺巡り 歩き遍路 富田打ち

阿波國之巻 を歩き終えて

 

 

 

なぜ今、遍路なのか?と問われても解らない。

 

前からずっと歩いてみたかったけれど、いつ始められるかは見当も付かなかった。

 

僕の初めての一人旅が、高校三年卒業前の四国一周だった。この時は電車とバスでの旅。

宿はほとんどユースホステルのスタンプラリー。

あの時もお遍路さんと出くわしたが、何も感じていなかった。

33年以上の時が経って、自分が歩き遍路に出ることになった。

 

 

四国はやさしい土地だ。人も風景も。

 

それと弘法大師・空海様の存在と、まつわる人、話の面白さ。

まだ阿波しか歩いてないけれど、引き込まれた。

東京ディズニーリゾートを悠々と超越した、世界に誇れる四国大師様遍路ランドがここにある。

 

 

早く、続きを歩きたくてしょうがない自分が夢の中で、四国の山々や海辺を歩いている。

 

 

 


出発前夜 5月16日(金)

 

※東急田園都市線・たまプラーザ駅

 

前夜の九時過ぎ、たまプラーザ駅から渋谷に向かう。

21:45発徳島行き「エディ号」。

どうして名前がエディなんだ?と思いながら。

マークシティ5階にあるバス乗り場はわかりにくい。

ちょっと迷って、出発ぎりぎりに到着。

バスの中でお遍路さん(女性・推定63歳)をお一人見つけたが、まだ声は掛けられず。



第一日目 5月17日(土)

 

久しぶりの夜行バスは、三列シートで昔よりは環境が良くなったと思うが、ほとんど眠れず時間を過ごした。

到着時間は予定よりかなり早くなりそうだったが、バスは途中に止まって時間調整をしていた。

淡路サービスエリアで休憩があったのが四時半。

それからバスはゆっくりと走り、五時半に高速鳴戸で降ろされる。

 

もう完全に夜は明けていた。

 

 

車中にいたお遍路さんは徳島駅まで行くようだった。

鳴戸でも十人ほど下車したが、知らない間に皆の姿は消え、僕一人JR鳴戸駅目指して歩きはじめる。

駅までは20分ほど。

駅前のコンビニで朝からスタミナ弁当を買って食べ、始発列車を待つ。

6:36発徳島行き。

 

 

一度乗り換えて板東駅に着いたのが7時過ぎ。

 

 

 

ここからが歩き遍路の始まりだ。

道で出会う人はみんな挨拶をする。それが他とは違う。

「寺に行くのんはな、こっちが近道」

と、おばあちゃん。

何も言わなくても導かれる。

 

 

 

約15分、第一番・霊山寺に到着。

 

土曜日のせいかこの時間でも参拝の人が多い。

本堂でロウソクと線香を立て、用意しておいた紙を見ながら般若心経を唱える。

 

売店で菅笠だけ買って、頭に被る。

これで少しはお遍路さんらしくなったか?

 

 

二番・極楽寺は、ほんのご近所さん。

 

 

 

三番・金泉寺(こんせんじ)も、すぐ近くだった。

 

 

三番から四番に向かう途中に初めて旧遍路道を歩く。

 

田んぼの畦とか農家の横など、細い道を通っていく。

この細い編路道で初めて、歩き遍路さんと出くわす。

「逆打ち(逆周り)ですか?」

「そうです」

 

短い会話だけですれ違ったけれど、ここで出逢うということは、このお遍路さんにとっては、ゴール直前ということになる。

嬉しいだろうな。

 

 

 

 

この後も逆打ちの人と多く出くわした。

 

今年は閏年なので、いつもより逆打ちの人が多いのだ。

順打ちの人とは、追い越すか、追い越されるか、逢わないか、だけれど逆打ちの人とは必ず逢う。

 

 

※四番・大日寺

 

 

 

※五番・地蔵寺

 

 

 

地蔵寺の門前にニンジンが山盛り売られていた。200円でこのボリュウム。

僕は横浜の自宅では、毎朝人参ジュースを作って飲んでいるので、これを見ただけで喉が鳴った。

買って帰りたかったけれど、まだ初日なのだ。持って歩くわけにはいかない。

 

 

五番から六番に向かう途中のパンやさんで菓子パンを買って食べた。

お店の人から、お接待でミカンを頂く。

 

 

先ほどパンを食べたんだけど、「手打ちうどん」の看板があったので、うどんやに入った。

のに、全然手打ちとは思えなかった。ガッカリ。

 

六番・安楽寺 七番・十楽寺

 

 

 

七番から八番の間に予約しておいた宿・越久田屋さんがある。

午後一時半くらいに宿に着いてしまったので、ここに荷物を置いて九番まで歩くことにした。

 

八番・熊谷寺

 

 

 

 

今日は、爽やかに暑い。

気持ちの良い空が、頭の上にある。



旧の遍路みちが楽しい。

 

 

 

※九番・法輪寺

 

 

 

お遍路さんは、いろんなお遍路さんがいる。

一番多いのは、観光バスで回るお遍路さんだけど、般若心経は篤く大きく唱えている。

何が彼らをこうさせるのか、まだ僕には不思議な光景に見えた。

自分も一応、参加しているのだけれど。

 

 

第一日目は、この出で立ちでした。

 

午後三時、第九番寺まで歩いて参拝も終わり、宿の主人に車で迎えに来てもらう。

九番寺の前に「あわじや」さんというお店があり、ここのおばさんは淡路島の人だった。

迎えを待つ間、ここで休憩。とても親切。

小さい店だけどお遍路さんで賑わっている。

民主党の管直人さんもここで休んでいる写真が飾られていた

 

越久田屋さんにはお風呂がないけれど、近くの「天然温泉 御所の郷」まで送ってくれる。無料入浴券もくれた。

第一日目にこんな気持ちのよいお風呂に入れるなんて、ホントに幸せ。

ゆっくりと浸かって、一日目の疲れを取る。

宿のご主人も親切で、この後四日間の僕の遍路スケジュールまで立ててくれた。

明日の宿もここから予約の電話をする。

 

 

居間にはたくさんの白衣が飾られてあって、みんな結願(けちがん)お礼の言葉が書かれてある。

八十八ヶ寺巡りを終えた後、第一日目に泊まった宿に、こうして最後にまたやってきて泊まっていくのだ。

みんなの喜びと感謝にあふれた宿に泊まれるなんて、僕もとても気持ちいい。

 

ここは遍路宿なんだけど、お遍路さんは僕一人しかいなかった。

初日から気持ちよく酔っ払って何時に寝たのか覚えていない。

 

JR坂東駅から歩く 朝七時過発 午後三時過ぎお参り終了


一番・霊山寺 二番・極楽寺 三番・金泉寺 四番・大日寺 五番・地蔵寺

六番・安楽寺 七番・十楽寺 八番・熊谷寺 九番・法輪寺


ここまでは平坦道で歩きやすい


歩行参拝八時間 約25キロ 宿は、越久田屋 お勧め



 

第二日目 5月18日(日)

昨日九番寺の法輪寺まで歩いて、宿屋の越久田屋さんに迎えに来て貰ったので、今朝はまた、この九番寺まで送って貰って出発。

それが朝の六時過ぎ。

 

 

※十番・切幡寺

 

十番・切幡寺に着いたのは七時前だったのに、もうお寺もお店も開いている。

最初は身に付けるのに抵抗があった白衣も、歩き始めたら僕もどうしても欲しくなってきた。不思議です。


十番寺の門前店で白衣を買ったら、金剛杖をお接待されたので、ありがたく頂戴する。

手ぬぐいもお接待された。

このお店でトイレを済ませて、ふたたび出発。

 

 

 

その後、吉野川を渡り、コンビにでおにぎりと飲み物の買出しをした後、十一番に向かうところで、まさかの迷子。


だいぶ道をそれたところで、たくさんの方に教えて貰って、やっと十一番・藤井寺に着く。

 

 

ここまでで四時間だったけど、ここから十二番の焼山寺に歩く遍路が難所だった。


これから二つの山を越えて行くのだ。

十二番に向かう入り口に書いてあった。

「健脚五時間、平均六時間、弱足八時間」

僕は何時間で辿り着けるのか‥‥。

 

 

歩き始めていきなりの急坂。息をハアハア言わせながら登る。

 

最後まで残った遍路みち 動画はこちら

 

万里の道も一歩から。

とにかく一歩進まなくてはいけない。

一歩、一歩、と言い聞かせながら登った。

 

疲れきったところでリュックを下ろして、しばし休憩。

山中で笛を取り出して吹いていたら、上から人が降りてきた。

「こんにちは」と挨拶を交わしただけで、その人はまた飛ぶように下りていった。

 

「○○○まで500メートル」

とあっても、この500メートルに一時間弱かかることもある。

藤井寺から焼山寺まで12,9キロとあった。

 

この間に逆打ちの人と五、六人すれ違い、順打ちの人とは数多く出会った。

後で知ったことだけど、日曜日のイベントで500人近い人が、この遍路道を歩いて登ったそうだ。

人が一人通れる幅しかないので、追い越したり、すれ違うのも大変だ。

僕も後半にこのグループの人と出会ったけれど、とにかく他人のことを考えるよりも自分が歩くことに必死だった。

でも楽しい。


こんなに頑張ったのも久しぶり。とにかく歩き続けないといけない。

 


弘法大師様との二人旅が続く。

 

 

 

 

歩くこと五時間。

 

必死で歩き続けて、ついに十二番・焼山寺に到着。

背中の荷物を下ろして頭から水を被った。気持ちよかった。

いつものお参りだけど、一番気合いが入った気がする。

売店の休憩所で、アイスクリームを食べ、何度も溜息をつきながら休む。

足が‥‥、腰が‥‥。

 

※十二番・焼山寺



そこから山を下って一時間、下りも足にはけっこうきつかった。

今日予約してあったナベイワ荘さんに到着。


今日は、いったい何時間歩いたんだ?

宿に着いてから、ずっと足のマッサージを自分でしている。

初めて洗濯もした(洗濯機も乾燥機もあって楽チン)。


楽しい二日目が終わった。

谷合は朧月夜だ。



明日も歩けるのか……








九番・法輪寺を朝六時過ぎ発 午後四時半過ぎなべいわ荘着


十番・切幡寺 十一番・藤井寺 十二番・焼山寺


十一番から十二番の山道が八十八ヶ所巡りでも一番の難所と言われている

確かに大変だったけれど、終わってみれば一番の想い出となった


歩行参拝十時間半 約31キロ 宿は、なべいわ荘




第三日目 5月19日(月)



宿の朝食時間が6時半からだったので、断わり、昨日コンビにで買っておいた残りのおにぎりを二個食べる。

焼山寺から4キロ下った宿を朝6時に出発。

雨が降りそうだったので、最初からカッパを着た。

リュックには、黄色の防水カバーを被せる。

カーブミラーに映る自分の姿は、まるで人間アシモくん。


足だけではなくて、顔もなぜか腫れてきた。

 

 

 

 

もう山道は終わりかと誤解していたら、いきなりの急な山道。

 

 

歩き遍路三日目の朝 動画はこちら

 

 

 

それから何度も下っては登る。

遍路道は手ごわく、また楽しい。

雨は降ったり止んだり、時折強く、時折静かに振っていた。

 

 

 

 

鮎喰川(あくいがわ)に掛かる板橋を渡る 動画はこちら

 

※古い看板を見つける

 

※「とうふ 90円」につられて入って食べる

 

小さな集落を通っただけで、またもや遍路道は山に入る。

 

まだまだ山中 動画はこちら

 


 

地図の上では18キロくらいだったはずなのに、6時間もかかってちょうど正午。

十三番寺・大日寺にやっと到着。

 

駐車場でたこ焼き屋さんがあったので買う。

10個で350円のところ、12個入っていた。ウーロン茶もお接待で頂く。

食べきれずにずっと持って歩く。たこ焼きのいい匂いと同行。

 

ここからはほとんど平坦な道で、人里にどんどん入っていく感じだ。

 

※十四番・常楽寺

 

※十五番・國分寺

 

十五番から十六番に歩く途中、国府養護学校を見つけたので思わず知り合いの先生に電話をする。

この学校の太鼓クラブは有名なんですよ。

 

タイミングよく連絡が取れて、冷たいウーロン茶をお接待された。

普段、僕が徳島で動いている、見慣れているはずの場所でも、歩いてみるとまったく別の場所に見えました。

 

※十六番・観音寺

 

大通りで「うどんや」を発見!

と、ところがここも手打ちではなかった。残念。

トイレを借りて、しばし休憩。

 

 

十七番・井戸寺の手前で、畑のイチゴをお接待で頂く。

土の匂いもする感じ。うまかった。


その後、寺に参ると午後三時になっていた。雨は止んでいる。

 

 

 

そこから徳島市街に向かって歩く。

 

距離はだいたい6キロ半くらいのはずだが1時間半、フラフラしながら眉山の麓までやってきた。

今日はここの宿に泊まることにする。


三日目は歩けた。腰と足がかなり張っているけれど。

四日目は歩けるのか‥‥。


心配した雨は大ぶりにはならなかった。

ありがたい。


南無大師遍照金剛。

(キリスト教でいうところの「ハレルヤ」にあたる)






なべいわ荘を朝六時発 午後四時半過ぎ東横イン着


十三番・大日寺 十四番・常楽寺 十五番・國分寺 十六番・観音寺 十七番・井戸寺


十三番寺までが長い、なかなか到着しないこの道も楽しい


歩行参拝十時間半 約32キロ 宿は、徳島駅眉山口 東横イン お勧め



 

第四日目 5月20日(火)

 

東横インの名物朝食。おにぎりを六個、味噌汁二杯食べて出発。

七時出発は、僕にとっては遅めです。

腰に来た。

ウンコをするのが辛い。気張ると腰が痛いのだ。

そっと気張る。

三日でかなり疲れてしまい、四日目はゆっくり歩くことにした。

 

この宿でも一緒になったお遍路さん(オーストラリア人の人も)たちと一緒に恩山寺まで歩く。

初めて日本に来て、いきなり88ヶ所歩くなんてスゴイ!もちろん日本語は話せませんが、ちゃんとお仲間もできるのです。

言葉ではないのです。

「お遍路をしている」

これだけで、どんな方とも笑顔になれます(ほとんどの場合)。

 

ま、いろんな人がいらっしゃいます。

 

四国歩き遍路に関しては、英語のガイドブックも出ているのですね。

 

※十八番・恩山寺

 

 

※十九番・立江寺

 

 

十九番・立江寺からの路は、石川県から来たという先輩女性のお遍路さんと歩きました。

 

 

白手甲も買いました。

一日一日お遍路さんらしくなってきています


今日は宿屋の関係(行きたい場所に宿屋がなかったので、手前で取った)で、ゆったりペースで歩きました。

スケジュール的にどうしてもここに泊まらなくてはいけない、ここしか宿が無いという地点なのです。


こういう日もあっていいのだろうと……。

宿は遍路宿なのでお遍路さんばかり。みんな話をして楽しい人ばかりだった。全国から来ている。

ゆったりと風呂に入る。本当に気持ちいい。

 


部屋はこんな感じ。

今日の四国徳島は午前中、風が強かったものの、好天でした。


鶴林寺の麓。

 

こんなところの宿だけど、隣りに焼き鳥屋さんが!

「生ビール」の垂れ幕に釣られ、夕食前に三杯も頂く(某お遍路さんからお接待をうけて)。

ごちそうさまでした。

お店の中では、地元の人たちと大盛り上がり。

帰りにたくさんのお寿司をお接待で頂く。


今日はゆっくり休めた。

明日は朝から行けるところまで、歩き続けるつもりです。


太平洋まで抜けることができるか?






東横インを朝七時過ぎ発 金子やに午後三時半過ぎ着


十八番・恩山寺 十九番・立江寺


この日は、ちょっと小休止にした。歩き易い道でゆっくりと行く


歩行参拝八時間半 約24キロ 宿は、金子や(勝浦)




第五日目 5月21日(水)

 

 

朝陽が嬉しい。優しい影を作る。

 

これまでで一番の好天。


阿波の山々が美しい。

朝六時前に宿を立って、山道を約一時間登ると二十番・鶴林寺に着いた。

 

 

山道はやはりきつい。

今日は黙々と一人、歩みを進めているけれども、なかなか進まない。


楽しんではいるけれど。

今日もほとんどが山道。

 

 

 

 

 

 

 

やっと山を降りてきて、二十二番の平等寺に着いたのが午後一時。

ほとんど休みはなく、ここまで七時間歩いた。

 

 

 

お寺の近くに食堂は一軒もなく、仕方なく売店でカップ麺とおにぎりを買って昼食。

お店の人にお湯を入れてもらって、店先のビールケースに腰掛けてたべた。

また歩き始める。

 

ここからはもう平坦かと思いきや、まだまだそうではなかった。

 

野生の猿が農家の畑を荒らしているのも目撃。

人間を見てもまったく逃げない。

 

空では猿脅しの空砲が鳴っているが‥‥。

 

三時間歩いて、やっと海にでた。

「海だ〜」

 

由岐港。


後12キロくらいで薬王寺だったけれど、もう歩けない。


 

 

 

第一回歩き遍路富田打ちは、ここまでにする!

 

 

JR由岐駅から一両編成のワンマン電車に乗る。

 

6時半くらいに徳島駅に着いたので、駅前のホテル展望風呂に浸かる。極楽でした。


夜8時50分発。駅前から、夜行バスで渋谷に向かう。

 


金子や朝六時前発 午後四時過ぎ由岐駅着


二十番・鶴林寺 二十一番・大龍寺 二十二番・平等寺


ここまでで二番目にキツイ山越えが20キロ弱続く

その後、遍路を始めて初めて海が見える町・由岐港までなんとか歩く


歩行参拝十時間 約31キロ 由岐駅から徳島駅にJRで戻る




 

帰宅 5月22日(木)

 

朝五時半、夜行バスは渋谷に到着した。

この街には若い人たちが多い。まだ夜の延長なのだろう。



遍路中、だいたい朝は四時半には起きていた。その前にも目は覚めているけれど、布団には横になっていた。

外が明るくなってくると、早く起きて歩きたくなる。前の日は疲れてヘトヘト状態でも、朝が来るとまた体が疼いている。

遍路中毒と言うべきか、遍路パワーと呼ぶべきか、とにかく朝起きたら歩きたくなるのだ。



前の日に買って残しておいたお握りとかパンを食べて、便通を済ませて六時には出発。そういう日が多かった。

 

遍路は、朝がとくに気持ちがいい。

ランナーズハイ、という言葉があるけれど、歩くことも快感になる。



僕は歩くことが楽しかったけれど、歩くことでなくてもいい。



遍路をしている人は色んな方がいて、どういうやり方でもいい。



車でもバイクでも自転車でも、歩きでも走ってでも、その人のできるやり方でいい。

驚くことにホントに走っている人もいます。



どれが一番とか、押し付けられるのは真っ平だ。



信心もなくていい。


興味などなくても、回ってみようかと思ったら回ればいい。



お経も唱えなくていい。


もちろん、作法とかガイドブックなどにも書いてあるけれど、仏教はすべての人を寛容に受け入れてくれる(筈)ところが素晴らしいと思う。



笠も白衣も金剛杖もなくていい。



僕だって遍路を始めるまで、とても恥ずかしくて身に付けられる訳がないと思っていた。

なのに、遍路を始めると一日一日きちんと身に付けたくなってくるから不思議だ。



般若心経もいまだに意味はよく分からないけれど、半分くらいまでは覚えた。


手を合わせるだけでも、お辞儀をするだけでもいいと思う。



それぞれのやり方・参り方があって、それを非難したり、他者の悪口を言わないところが弘法大師様の教えだと思う。



みんないいのだと、言っている。


それが遍路だと思う。



たった五日間だったけれど、毎日楽しかった。

またすぐにでも続きを打ちに行きたい、と思う。

ただ、今の僕の状況では、残念ながら次回の予定はまったく立てられない。



お遍路さんは、六十を過ぎた人生の先輩方が一番多い。

皆さん、とても楽しそうですよ。



僕が五日間の歩き遍路をして変わった事。

心については、それは判りません。


但、目にはっきり見えることで判りやすいことは、体重が増えたことでした。

今日も体中がむくんでいますし、特に両の足がパンパンに腫れています。

 

不思議と僕の足に肉刺(まめ)は出来なかったけれど、この足は二日目からずっとこのように腫れていた

このまま歩き続けた時、どうなるのかとても楽しみだったのだけど。。。

 



みなさまも、どうぞお試し下さい。

 

 


 

次打(未定) 二十三番・薬王寺 から



背負って歩いたリュックの重さは、大体5キロ。+小物入れが1キロで、合計約6キロ


地図参考 へんろみち保存協会 編『四国遍路ひとり歩き同行二人』この一冊でも足りる

『最後まで残った空海の道』実行委員会編・地図

 

参考HP 掬水へんろ館

ここでは遍路にまつわるあらゆる問題について語られていま

 

基本的にできるだけ旧へんろ道を歩いた

十二番寺から十三番寺は、最後まで残った空海の道を歩く

十七番寺から十八番寺は、車道のみを歩く

 

 

たくさんの遍路道札、道しるべなどに支えられ励まされ、歩くことができました

 

合掌。

 



 

四国八十八ヶ寺巡り 歩き遍路 富田打ち 2008

5月17日(土)〜21日(水) こちらをクリック 一番から二十二番

 

四国八十八ヶ寺巡り 歩き遍路 富田打ち 2009

阿波國〜土佐國之巻 を歩き終えて

vol.1 11/9-11 第一日目から三日目までは、こちらをクリック  二十三番から二十四番

vol.2 11/12-13 第四日目から五日目までは、こちらをクリック  二十五番から二十七番

 

四国八十八ヶ寺巡り 歩き遍路 富田打ち 2013

vol.1 8/13-16 第一日目から三日目までは、こちらをクリック 二十八番から三十五番

vol.2 8/17-21 第四日目から七日目までは、こちらをクリック 三十六番から三十七番

 

四国八十八ヶ寺巡り 歩き遍路 富田打ち 2014夏

vol.1 8/11-13 第一日目から三日目までは、こちらをクリック 三十八番

vol.2 8/14-16 第四日目から六日目までは、こちらをクリック 三十九番から四十番

 

四国八十八ヶ寺巡り 歩き遍路 富田打ち 2014秋

vol.1 9/30-10/2 第一日目から三日目までは、こちらをクリック 四十一番から四十三番

vol.2 10/3-5 第四日目から六日目までは、こちらをクリック 四十四番から五十三番

 

 

 

 


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インターネット版 『月刊・打組』 2008年 5月号 No.118

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